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消え行く日に



いつか、彼は自分の前から消えるのだろう
何も言わずに
何も残さずに
静かに
音も立てずに



そんな日を思って、心を痛めるのは本当に愚かだと思う。
まだ先かもしれないのに。


(これだからネウロにバカにされるんだ)


その言葉や行動の端々に感じ取られる、温かな想いのようなもの。
あるのかもしれない。
ないのかもしれない。
あるといいと思うのは。


(…私の勝手だ)


事実、彼の言動に、心を震わせているのは、自分のほうなのだ。
触れられる手に。
向けられる眼差しに。
発せられる声に。


(心が痛くて、熱くて、死んじゃう)


ずっと一緒にいる。
姿が見えなくても。
心が共にある。


(信頼、なのかな)


彼曰く、『日付が変わった』ことで、一段と興味が湧いたらしい。
けれどその興味は、謎を持つ可能性のある人間に対する興味と変わらない。


(言ってしまえば、ヒトとして扱われてるか疑問だし)


以前までは、それでいいと思っていた。
それこそ、魔人たる彼に対する興味は、まったくと言っていいほど無かった。
けれど今は、ちがう。


(ネウロ)
(お願いだから)
(これだけ、叶えて)


いつか、この地上の究極の謎を見つけたら。
どうか、黙って消えてしまわないで。


(私のことは忘れてしまってもいい)


どうか、別れの言葉を惜しまないで…。



【Fin.】



後書代わりの戯言


大好きなイラストサイト様の作品に触発されて書いた作品です。


NineFourAir Tomo様
http://sui.fool.jp/under/


本当に素敵なネウロの絵を見ることができます!

Tomo様、ありがとうございます!!


よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


web clap


2008/10/01 Wrote
2009/11/24 加筆修正
2009/01/01 UP




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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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