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闇に降る雨



仲間を思う気持ちに
恐らく、彼らも自分も
それほど差はあるまい




珍しくゆっくりと惰眠を貪っていることを許された日。
縁側で、いつものように横になって、雨の音を耳にする。


(よく続くねィ)


この一週間、晴れ間が見えたことはほとんどない。
お陰で隊服も私服も、跳ねた泥で裾を汚されて。
なかなか落ちないその汚れに、別の何かを思い出した。


(臭いがないだけ、マシでさ)


そんなことを考えて、いい加減不快感を覚える前に、ふと、思い出した。
あれは、いつだったか。


(そうだ、旦那たちが記憶喪失になった時)


物騒なことを企む輩の下で、記憶を失ったらしい局長と、万事屋の旦那が捕らわれていた時。
あぁ、もう、あの人には逢えないのだと思い、心の底が冷たく凍るのを感じた。
ならばいっそ、自分の手で壊してしまえと。
救えればもちろん、その方がいいけれど。
砲弾を放ち。
刀を抜き。
肩書きだけは副長と言う名の自分の上司は止める気配も無く。


(副長も同じ、)


どれだけ意見を違えても。
どれだけ衝突を繰り返しても。
一番大切なものは、ひとつ。


(あのふたりも、おなじ)


迷いもなく、砲弾の前に並び、守る姿。
例えばそれが、局長であったとして。
自分も、副長も、他の隊員たちも、きっと同じことをしただろう。
その存在が味方であっても、敵であっても。


(闇の中で、手探りをして)
(手に当たったものが、どんな存在であっても)
(出口がたとえ見えないままでも)
(迷い子にとっては、それが、光)


こうして、視界を闇に閉ざして。
耳に入る音だけが世界で。
思考に心を奪われていれば。


雨が、光。



【Fin.】



後書


初書き【銀魂】でございます
そして、いとしの沖田さん!
何が言いたいかと言うと、
言動がどうであれ
やっぱり総悟の一番は決まっているのよね!
。。。というお話


愛ゆえに暴走気味ですが
きちんとジャンルとして加えたいな、と思ってはいます
よろしければ、感想・リクエストなど頂ければ幸いです!!



2007/09/16 UP
2008/03/17 再UP




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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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