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Are you Ready?



ずっと、独りで戦っていたから
誰かに背中を預ける意味を知らなかった



こんなにも、心が落ち着くことに
ずっとずっと、目を逸らしていた…



* * * *



思い返せば、初対面からロクなことがなかった気がする。
顔を合わせれば、お互いの武器を手に、血生臭い遣り取りを繰り返していた。
そんな日々が日常で。
いつまでも変わらない態度に、どこか安心していた。


(あのときだ)


一人の仲間を手にかけた時、痛々しいような瞳で自分を見つめていたのに気付いた。
同情でもない。
怒りでもない。
あの色はなんだろうと、心に残った。


(それから、だ)


心に残った瞳の色。
それから過ごした時間はそう多くはないけれど。
何かを決意したような空気が、痛いと感じた。


(誰かが、変えてしまった)


誰が、変えたのか。
それが自分ではないことが腹立たしくて。
それがとても、切なくて。
気付いた瞬間、終わった、と感じた。
多分、分かち合うことは出来ない、想い。


(もう、戻れない)


何も知らなかった頃には戻れない。
想いは燻り続け。
いつか告げてしまうかもしれないと焦りが生まれ。
誤魔化す為に、また、心を傷つけて。
その日も、同じだと思っていた。
変わらない日々の繰り返しなのだと。


『お前が敵味方間違って斬りかかるほど しょっぱい使い手じゃない事くらいお見通しアル』


心の底から驚いた。
いつも、何も考えていないのだと思っていた。
自分のことなど、ただの喧嘩相手としてしか見ていないと。


心の底で、温かい何かがじんわりと滲み出した。
これからきっと、変わるに違いない、何か。


(まずは、目の前の雑魚を何とかするとしやすかねぃ)


すら、と抜いた鈍く光る刀の切っ先を、垂直に向ける。
背中で、いつものように傘を閉じ、体勢を整える様が、手に取るようにわかる。


(伝わる、熱)


交し合ったのは、痛みや傷だけではない。
確かに残る、モノがあった。


(全部終わったら)


伝えてみようか。
心の、カケラを。
想いの端を。
柄にもないと笑い飛ばされるかもしれないけれど。



――想いは、芽吹いているのだと。



【Fin.】



後書代わりの戯言



現在脳内沖神フィーバーでございます
理由は、先週から始まった銀魂新章です
もう、これは、大変な勢いです
実に好みな話の展開になっております


そして、その勢いのまま書いたのが、これです(苦笑)
多分私の中で暫くこの熱は冷めないと思います!


今回も、イメージの元となるイラストがあります
【読書とジャンプ】を更新されている、むらきかずは様の描かれたイラストです
こちらを見て頂けると、より一層愛が深まるのではないかと思います


むらきかずは様
読書とジャンプ


さて、次は何を書きましょうvv



宜しければ感想等頂ければ幸いです!

web clap


2009/08/02 Wrote
2009/08/05 UP



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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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