背中に感じる温もりが、嬉しくて。
頼られていると、伝えてくれて。
(…ラビ)
声に出しては呼べない、名前を。
心の中でそっと呟く。
空高く。
光を浴びて。
暗闇に向けて。
彼らの、幸運を祈る。
(もう、それしかできないっちょ)
それでも願うのは。
彼の。
彼だけの、心。
祈るのは、ただひとつ。
(しあわせ、だったっちょよ)
それだけは変わらない。
どうか、自分を忘れないでいて。
どんなにささやかな存在でも構わない。
心の片隅に、認めて。
(それだけで、いいっちょ)
もうすぐ時が来る。
自分は光に呑まれるだろう。
その前に、心からの言葉を。
さいごの、さよならを。
【Fin.】
2008/04/02 Wrote
2008/05/22 UP
Back