01. 互いの首に絡み付いた紐のよう
その存在を疑ったことなどない。
その強さを疑ったこともない。
無垢という名を持つ存在。
けれど、その無邪気さは、鎖のように、相手の存在を縛り付ける。
呪いのように、人生を変えてしまう。
(それは、私も変わらないけれど)
兄と離れるきっかけとなった過去を忘れることなど出来ない。
突然の別れ。
突然の痛み。
あれから少しずつ、私の精神はおかしくなってしまった。
歯車の欠けた、時計のように。
少しずつ、合っているようで、合っていない。
世界と自分とを合わせることが出来なくなっている。
仲間は世界。
世界は、仲間。
ひとりでも欠けてはならない。
その為なら、私は私の存在さえ、いらない。
(護って、イノセンス)
世界を、仲間を。
その為なら、私は貴方に繋がれてもいい…。
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