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Lost World



消えていく世界
砂の音が耳をすべる


(あぁ)


過ぎるのは、柔らかな花弁。
鋭い刃。
漆黒の森。
そして、遠い笑顔。


『それでも僕は、誰かを救える破壊者になりたいんです』


なんて弱い男だろうと。
なんて誇りの無い男だろうと。
涙を見せるなんてと。
強く、怒りを覚えた。


(アイツは、ばかだ)


それでも、その心の弱さに、芯の強さを見つけた瞬間。
弱さではなく、それが彼の優しさなのかもしれないと気付いた。
優しく、脆い存在。


(あの花のように)


自分がいなくなれば、あの花は誰が見護るのだろう。
誰を、見守るのだろう。


(アイツなら、いい)


いつの間にか姿を変えた、イノセンス。
それは、彼の優しさと強さの証。
痛々しさは変わらず。
より、遠くなった笑顔。


彼は今でも、すべてのモノを救える破壊者になりたいと言うのだろうか。



【Fin.】



後書


久々のDグレです。
言わずと知れた、例のシーンでございます。
大好きなんですよ〜v
あの雰囲気!!


それでも一応これは、バレンタイン企画第三弾なのです。
…いえ、本当はもう少し、バレンタインらしいものを書こうとしたのですが。
でも、こっちの方が私らしいかな、と思いまして(苦笑)
ど、どうでしょうか???



2007/02/11 UP
2008/03/17 再UP




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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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