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Side:Goku



ときめきのない永遠
刹那の情熱


◇ ◆ ◇ ◆


耳朶の光に冷たさを感じるようになる頃。
あの日からどれだけの時間を彼と過ごすようになったのかと思い返す。
幸福な誤解から始まった自分たちだから。
少しの不安が、とてつもない不幸にも、感じられて。


(いつだって、傍にいて欲しい)


そんな風に切り出すことさえ躊躇われて。
高校を卒業して、大学生になって。
同じ大学とは言え、専攻が違う為に校舎が遠い。
一日に一度逢うのもやっとで。


(寂しい)


寂しさを紛らわす為に、電話もメールも欠かさないけれど。
彼も同じように寂しさを覚えてくれているのかどうか。
それもわからなくて、余計に不安になる。


(重たい、のかな)


そう思わせてしまっているのならば、離れるしかない。
一時的にせよ、お互いの距離を見誤っていては、続く筈がない。


「メールだ」


三蔵からの、メール。
今日、逢いたいと。


(珍しいな)


本当はバイトが入っていたけれど、急病を装って休みの連絡を入れてしまう。
彼から逢いたいと、言ってくれたから。
どんなことをしても、叶えたいと思ってしまう。


(逢いたいよ)


いつでも。
嬉しい時も。
哀しい時も。
どんな時でも、逢いたい。



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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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