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永遠を望んでいた。
叶うはずもないのに。
どうして望んでしまったのだろう。
永遠、というものを。
絆を。
すべてを、忘れてしまいたくて。
望んでしまっているのかもしれない。



空を見上げる。
ここへ来てから半年が過ぎた。
彼の傍は心地が良いけれど、寺院の雰囲気は好きにはなれない。
だから、公務で彼がいない時はこうして外で空を見上げている。
透き通る空の色に、永くいた、あの場所を思い出す。


暗い空間に。
ただ、遠くの空だけを見つめていた日々。
だれかを呼んでいて。
けれど、だれを呼びたかったのか覚えていなくて。
とても、苦しかった。
いつまでも変わらない姿。
変わらない心。
鎖も額の金環も重たさを感じられない程なにかが麻痺していて。
いつ、終わりが来るのかと待ち望んでさえいた。


それでも、心の何処かで覚えていた。
絆を。
約束を。


「早く帰ってこないかなぁ...」


もう一度見たい。
あの輝く金を。
救いを。
手のひらの温もりを。
彼は、決して同じではない。
けれど、信じていたいから。


あとどれ程待てばいいのだろう。
思い出す時が、来るのだろうか。
このままで、いいのだろうか。
ぼんやりと空を見上げて、思う。
いつ、だろう。
高い空を見上げ、過去を思う。
欠けた記憶。
必要だったからなのか。
それとも、不必要だったからのか。


わからないままだ。
無理矢理奪われたものなのか。
そうでないのかさえ。
あのまま夢を見続けているような。
現実は、どちらなのか。
今でもわからないまま...こうして、なにかを待っている。



【Fin.】



後書
なんとなく思いついたので書いてみました。
三蔵に導かれ、寺院に引き取られたばかりの悟空のお話です。
ご要望があれば、この続きも考えてみようかなぁ...。


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ということで、続きも書いたのですよね、結局
下記矢印より続きをどうぞ!


2008/03/10 再アップ




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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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