Index  Menu  Main  Novel(SAIYUKI)  Novel(WJ/GAME)  Novel(etc) 

Fly to me



誰かを失うなんて
予想もつかない
呆気なく
突然訪れる


その瞬間感じたのは、痛みよりも、熱。
喪失への恐怖。
彼を失ってしまうと。
目の前から彼がいなくなるという、恐怖。


(それだけは、だめだ)


自分がいなくなれば、彼もきっと、いなくなる。
この世のどこに行っても逢えなくなってしまう。
捜すことも、手を差し伸べることもなく。
遠い遠いところへ、行ってしまう。


(自分は人間じゃないのに)


かといって妖怪でもない。
理解している。
けれど、彼は本当にそれを、理解しているのだろうか?


(駄目だよ)


意識が遠のいても。
大切な仲間を傷付けても。
それでも譲れなかった、モノ。


(帰ってきて)


言うから。
どれだけ大切に想っているか、伝えるから。
だから、お願い。


(帰ってきて、三蔵)


痛みも熱も。
息をすることも。
彼がいないと、もう何も出来ないくらい。


(強くて、弱くなった)


強くなりたいと想ったのも。
彼の傍にいたいから。
傍にいられる、資格を得たかったから。


(ごめん)


もう、あんな無様な姿は見せない。
誰にも、見せないから。


(ごめん…)


何度でも謝るから。
帰って、来て…。



【Fin.】



後書

以前にアップや公開したものばかりを再アップだと
今までお待たせした皆様に大変申し訳ないと思い、
誠意の表れを作品に託しました(笑)


これは、数ヶ月前のZEROSUMネタですね
ちょっと書いてみたかったんですよね
三蔵側は、いつもこんな感じの三蔵を書いているので
あまり違和感もなかったので書かなかったのですが。
悟空って、痛々しいよね、という話にしてみました。
どうでしょうか??(不安)


----

よく考えてみたら、今私が行っている作業は、再々アップ、なんですね
…特に訂正の必要って、無いですよね??(焦)



2008/03/11 再UP



Back
7-mori eyelid (©) Midori Yuki
inserted by FC2 system