0.
貴方に誓う
永久の想い
信じてくれなくていい
これは、秘め事だから
知っていたはずだった。
いやになるほど。
あの、瞳に映るのは唯一彼だけだと。
秘めていたはずの、想い。
知られていたなんて、考えもしなかった。
「悟浄、ごめん」
ある晴れた夜。
月が嫌味なほどに輝く夜。
たまたま同室になって。
いつも通りの時が過ぎていた、はずだった。
ふと気づくと、金の瞳が自分を捕らえていて。
おそらく、こんなにも真摯に見つめられたことはないだろうというほどに。
強く、まっすぐに。
気づいていたけれど黙っていたのだと、続く言葉に、ようやく我に返る。
覚えたのは安堵と淋しさ。
計り知れぬ解放感。
「俺はずるいからさ、それでも離れたくなかったんだ」
それ以上聞きたくないという思いと、聞かなければ先へ進むことはできないだろうという予感。
「謝るな。謝ったところで変わるもんじゃねえだろう」
下を向いたまま、告げる。
彼は彼しか選ばない。
それは歴然とした現実で。
だれも、受け入れてくれないのは、自分だけ。
永遠を誓う相手は、どこにもいない…。
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