二人でずっと一緒にいられたら。
この世界のどんな事にも耐えられるのに・・・。
大丈夫?って思ってしまうけど。
そんな事を気にしなくても良いほど貴方は強い・・・。
だから心配なんだ、いつも平気なふりして強がる貴方が・・・。
頼りにされない事が、こんなにも苦痛だなんて・・・。
「俺は、守らないものがほしい。」
そう言った貴方の為に。
「強くなる。」
と誓った。
いらないなんて言わせないから。
興味を捨て去る事なんて出来ないから。
うとうとしながら桜に自分自身の決意を誓う。
いつの日にか絶対に・・・と。
夜桜の木の下・・・。
やっと居場所を見つけた三蔵が、ゆっくりと桜に近づく・・・。
ひらひらと舞う花弁は、まるで守るように、微笑むようにゆっくり落ちていく・・・。
桜の下で眠る悟空の隣に座ると、三蔵は煙草に火をつけた・・・。
煙が安堵を与え、隣からの暖かい熱が心地良い。
そのまま相変わらず起きる素振りを見せない悟空を自分の膝の上に引き寄せる。
「何やってんだよ・・・。」
やっと手に入れたのに・・・。
なぜお前は俺の手をすり抜ける?
「守らないものか・・・。俺はお前を守るつもりなんかねぇ・・・。」
だけど・・・一緒に歩いてみたいと思った・・・。
時を重ねてみたいと思った。
守るものが必要なのか?
お前が望むものは・・・。
「悟空・・・お前が全てを失ってでも守りたいものって何だ・・・?」
「・・・。」
唐突に呟いた言葉に返事が返ってくるわけもなく。
急に笑いがこみ上げる。
“ふっ。くだらねぇ。寝てる奴に何問いかけてんだ・・・俺は・・・。”
心地良い風が吹く・・・。
緩やかな幻想を招くように・・・。
「・・・さん・・・ぞう。」
その言葉に三蔵は驚いて悟空を見ても、相変わらず眠ったままだ。
先程と違うのは、悟空の顔が微笑んだように見えることだけ・・・。
ほんの小さな呟きである。
偶然・・・?寝言・・・?
いや、今はこれで十分か。
「ふん。寝ぼけやがって・・・。」
三蔵は煙草を揉み消すと、悟空に薄笑いをむけた。
「桜とバカ猿・・・か。」
そのまま桜の花弁を眺めつつ、同じく眺めていた悟空の桜色の頬にキスを落とした。
二人の想いが交差するのは、まだ先の話・・・。
【Fin.】
後書&感想
創牙さんから頂きました♪
相互リンク記念SSです
私のリクエストは、痛い三空だったのですが
理想通りなので幸せ。。。v
ちなみに、私のも創牙さんのHPにアップされてます
よかったら見て下さいねv
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2008/03/19 再UP
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