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†Time to say Good-bye†





残酷だと、思った。
ほんの少しのすれ違いが生み出す、悲劇。
この場所で、この位置で、どれ程目にしただろう。


「ヴェルド主任」


追ってくださいと、心の赴くままに行動してくださいと。
そう告げた真意は、伝わっただろうか。


(私は、放棄してしまったから)


心をそのまま伝えること。
そして、素直になること。


「出口はすぐそこですっ」


襲い掛かる敵を避けながら、出口を目指す。
その足取りは重い。
本当はもう、休んでしまいたい。
ここで助かっても、きっとまた同じことの繰り返しで。
いつまでも私は、ここから逃れられないのだ。


!!」


叫ばれた言葉に振り返る余裕はなかった。
地面が急に消え、身体が落下する。
続いて訪れた衝撃に、意識を失うのは早かった。


『ねぇ、あなた…ルードに伝えて…』


光に包まれて、思い返すのは、愛する人から背を向けた女性の姿。


『生まれ変わったら、またあなたに会いたい』


違う。
生まれ変わったら、じゃない。
生まれ変わっても、また貴方に逢いたい。


(でも、本当は生きて、貴方に逢いたい。)


あぁ、こんな事なら、好きだと、言えばよかった。
あの瞳が感情を示さなくても。
温もりがどれ程冷たくても。
この想いは、変わらないのに。


(レノ…先輩)


悔やんでも、もう、時は戻らない。



【Fin.】


相当駆け足ですが、書きたいところまであと一息…というところですね。
主人公がようやく前向きになってくれたので、嬉しいです。(苦笑)

もう暫く続きますが、お付き合い、宜しくお願い致します!



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


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2009/06/14 Wrote
2012/08/23 UP


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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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