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†Sweet†



意味もなく携帯電話を眺める。
会社から支給されたものだから、当然用のないときには使われない。
なのに、待っている。
誰にも言えない。
言うつもりもない。


(今日もいい天気)


外に視線を向けると、抜けるような青い空が広がっていた。
こういう時、高層ビルの上層階で働けることを感謝したくなる。
本当は、そんな余裕はないはずで。
任務は溜まっている。
それぞれが適した任務についている。
この携帯電話も、いつ鳴るかわからない。


(いい、天気…)


硝煙と血と埃の匂いから遠く。
ここは、喧騒からも遠く。
静かな空間で。


(…煙草の匂い…?)


ふ、と顔を上げると、咥え煙草に紙袋を抱えた先輩の姿があった。
誰よりも鮮やかで。
誰よりも心を奪う。


「よぉ、。サボりか?」
「…レノ先輩」


タークスに配属されて2週間。
破天荒、と言う言葉がこれほど似合う人もきっといない。
任務は任務でこなすけれど。
そうじゃないときの落差が激しい。
楽しげに、本当に楽しげに人生を謳歌している、ように見える。


「やるよ」
「またですか」


手渡されたのは、一粒のチョコレート。
サボりを見逃してほしい、ということ、なんだろうな。


(相変わらず)


「甘い、ですね」


こっそり呟く。
口の中には、甘いチョコレート。
目の前には、大切な人。
机の上に置かれた携帯電話が鳴らないように。
そっと、祈る。



【Fin.】



後書


レノ短(女)夢小説第二弾でございます
微妙にレノ短(女)と言うより
レノ←短(女)の気がするようなしないような…
一応シリーズのつもりです
片想いって歯痒くて可愛いですよね…(え?)


相変わらず夢小説の意味がないですがι
す、すみませんッ



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


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2009/01/01 UP



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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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