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§千ノナイフガ胸ヲ刺ス§



資料を見た瞬間、印象に残った。
姿は、本当に少女と言うに相応しく。
世俗の汚れとは無関係に見えた。
細い肢体。
月の光のように輝く髪。
瞳は芯の強さを示し。
唇は、ほんのりと紅。
細い首は、手をかければすぐに折れてしまうだろう。


「へぇ、と」
「レノ」


ルードが資料を取り上げる。
途端に、失せる幻。


「明日から配属になる、、だ。実際に任務に就くのは業務に慣れてからだが、それまでは事務処理を行ってもらう」


ツォンさんの言葉も耳に入ってこない。
なんだろう。
あの程度、その辺にいくらでもいる。
容姿も、もっと自分好みの女はたくさんいる。
なのに、写真だけで心が熱くなるのは。


(一目惚れよりタチが悪いな、と)


これは、そんなに生易しいモノじゃない。
これは、狩る気持ちにも似ている。
目標を見つけ、視界に留め。
そして、追い詰めるような。
強い、つよい気持ち。


「ツォンさん、俺が見ますよ、と」
「お前が? まぁ、明日から私もルードも別の任務だから、頼むつもりだったが…どうしたんだ」
「べっつに」


訝しげなツォンさんから視線を外し、外を見下ろす。
面白いことになった、と舐めた唇は、ほんのり血の匂いがした。


コノ子ハ、ドレダケ自分ヲ燃エ滾ラセテクレルダロウ?



【Fin.】



後書


えっと、恐い人がいます。。。
これは、『想片の月』のレノSideのお話です
ですが、シリーズタイトルは『想片の月』ではなく、
『狂喜の月』シリーズとします
合わせて月シリーズ。。。(笑)
(よほど月が好きらしい。。。)


『狂喜』の方が、名前変換の意味がありそうですね
頑張ります!



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


web clap



2007/04/30 Wrote
2009/01/01 UP



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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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