Index  Menu  Main  Novel(SAIYUKI)  Novel(WJ/GAME)  Novel(etc) 

†Hurt†



月に一度
私は自分の性を自覚する


、大丈夫なの? 真っ青よ」


声をかけてきたのは、同じタークスの中でも親しくしている仲間の一人。
同性の上に同年代と言うことで、一緒にいることが多い。
そんな彼女が、顔色を変えて、話しかけてきたのだから、こっちの方が驚く。


「真っ青、かな」
「そうよ、真っ青というより、真っ白、ね」


溜息をひとつ。
そして、耳打ちをする。


「今日、始まっちゃって…」
「あ…あぁ」


それだけで通じるのは、お互い毎月のように辛い思いをしているから。
けれど、今回はその辛ささえ、有り難いと思う。
これだけの激務で、同じように身体はサイクルを崩さないこと。


(大丈夫だとは思ったけど、万が一と言うことがあるし)


あの日から気が気ではなかったのが、本音で。
カレンダーを見つめながら、不安な日を送っていたのだけれど。


(やっぱり辛いものは、辛い、かな)


心配する彼女を任務へ送り出し、今日は事務所で内職をすることに決める。
溜まっていた書類処理もあることだし、とパソコンを立ち上げる。


(…さみしいな)


キーボードを叩くと、自然に視界に入る細い手首。
そこに、飾られていた細い鎖は、今はない。
見ているだけで嬉しかった気持ちも。


、任務はどうしたんだ、と」
「…レノ先輩」


時刻は夕方。
外は雨。
事務所内は、先輩と私だけ。
まるで、あの日と同じ。


(…やだ、)


「…顔色が悪いな。大丈夫か、と」
「だ、大丈夫です」


差し伸ばされた手から、顔を逸らす。
意識しているわけではないけれど。
平常心ではいられない。
あの日から、これほど近くにいたことがないから。


(それに、優しい瞳が)


あの時と違う、瞳が。


、これ、のだろう?」
「…っ、どこにあったんですかっ」


視界に入る、銀色の光に、思い切り手を伸ばしてしまう。
だけど、ほんの少しの差で届かなくて。
しかも急に立ち上がったことで、眩暈を覚えて。
そして、気付くと、先輩の腕の中に、包まれていて。
それがとても、暖かくて。


「…


囁かれた声に、顔を上げると、先輩の顔が、近くて。
そして、そっと、瞼を伏せた。



【Fin.】



後書


2ヶ月も空いてしまってすみません。。。
やっと、続きです
もはや何章の話なのかさえわかりません(苦笑)
ウソです
前回の続きになります


これから頑張って頻繁に更新できたらなぁ。。。と思います
宜しくお願い致します!!



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


web clap



2007/11/07 Wrote
2007/11/07 UP
2009/01/01 再UP


Back
7-mori eyelid (©) Midori Yuki
inserted by FC2 system