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†Crimson†



銃口を向ける瞬間
これが、目の前の存在の最期なのか
それとも自分の最期なのか
戸惑いを覚える


『そんなに力入れて、疲れないか、と』


耳の奥に響く、軽やかな声。
赤い、夕焼けのような髪の色。
いつでも優しく、柔らかく、見守っていてくれた。


(先輩)


大切な、人。


(レノ先輩)


ゆっくりと引き金を引く。
目の前の存在も、同じように腰を落とす。


(……ごめんなさい)


傷は痛み。
血は流れ。
既に回復魔法を唱える余裕もない。
残る弾は2発。
命中すれば充分に殺傷できるだろう。
常であれば。


(あきらめるわけではない)


自分の力量は把握している。
これ以上ないほどに。
だからこそ、歯痒い。


(肩さえ、支えられれば)


それは相手も同じだろう。
寧ろ、負った傷は、相手の方が多い。
だからこそ、お互いに様子を伺っている。


「なんだ、まだ死んでなかったんだ」


第三者の声。


(まずい…っ)


――ガゥンッ


条件反射で引いた引き金。
弾は見当違いの場所へ当たり。


(…あと一発)


息が上がる。
普段は気にならない銃の重さが耐え難いものに感じられる。


、落ち着けよ、と」
「――っ」


(この、声は)


慌てた様子の相手に、今度は落ち着いて照準を合わせる。
そして、倒れる相手の姿を確認する。
途端、力が抜ける。


「おっと」


地面に倒れこまずに済んだのは、この暖かい腕のおかげで。


「…先輩、何故ココに…」
「ん? 可愛い後輩のことが心配でな、と」


暖かい。
温かい。


「……先輩」
「なんだ、と」


涙が、零れる。
温もりは、自分のモノ。


(まだ、私は生きている…)


姿勢を正して。
けれど、腕だけは掴んだまま。


「ありがとうございます……」


小さく、呟いた言葉は、届いただろうか。


【Fin.】


後書
初めて書いた、FF7.B.C.モノです
分かる人には分かって、分からない人にはまったく分からないと言う作品ですね
FF7.B.C.については、下記に長々と記します(笑)
で、この作品は、なぜ名前が出てこないかというと、ゲームの中で決まってないんですよ
だからよく夢小説で作成される方も多いみたいですね
今回はあえて、こんな形にしてみました
どうでしょうか。。。?


尚、この作品を、私に夢小説を書く衝動ときっかけを与えてくださった林志乃様に捧げます。


※FF7.B.C.とは
FF7.B.C.とは携帯向けゲームです
FF7というスクエアエニックス(当時スクエア)の大傑作があるのですが
その作品があまりにも人気だった為に、その後様々な形で世界が広がる、という面白い作品です
総称して【Compilation of FFVII】と言うのですが、A〜Dまである…のかな?
A.C.(アドベントチルドレン)はFF7の世界より2年後を描いたフルCGアニメ、
B.C.(ビフォークライシス)はFF7より6年前の、
FF7においては敵だったタークス、という組織を中心に描いた携帯向けアクションゲーム、
C.C.(クライシスコア)はFF7よりPSP用のRPGアクションゲーム(…なの?)、
D.C.(ダージュオブケルベロス)はFF7より3年後の、
FF7においては謎の存在だったあるキャラクターをメインに描いた、PS3用のガンアクションRPGです
C.C.が今度発売になる、のかな。。。?
(再アップ時には既に発売されて一年以上経過していますι)



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


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2008/01/01 UP




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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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