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†Be My Last†



赤毛のあの人はいつだって、女の人と一緒にいる。
もちろん、任務のときを除いて、だけど。
その度に痛む心の理由に気付いたのは、いつからだっただろう。
いつの間にか、上手に隠せるようになってしまって。
それでも視線はあの人を追っていて。



「何でしょう、レノ先輩」


なんでもない振りをすることには慣れてしまった。
この人が、誰を見ていても。
誰と抱き合っていても。


「俺、このまま帰るから、ツォンさんに伝えておいてくれ、と」


意味ありげに口の端を上げて浮かべる笑顔。
ふと、彼の後方を見ると、壁に寄りかかるように佇む人影が、あった。
綺麗な、金髪と、深紅のドレス。


「了解しました」


確認し、踵を返す。
頭の中は、ツォンさんへの報告と、赤と、金色と。


(綺麗な人、だったなぁ)


女性らしさなど諦めてしまった。
この手は、銃を握る。
この身は、任務の為に。
心の中だけで、想い。
そのことに不満を覚えたことなど、ない。


「うそつき」


本当は、願ったことがある。
初めて逢ったとき。
握手を求められて。
微笑みかけられて。


(この人が、私の、さいごの人に、なればいい)


初めての、激しい想い。
あの人の髪の色のように。
触れて欲しい。
微笑みかけて欲しい。
抱いて欲しい。
いつだって、傍にいて欲しい。


(望んじゃ、だめ)


あの人は自由だから。
縛り付けてはいけない。
誰が、あの人の隣にいても。


(私には、自由は与えられないから)


だからどうか、赦して欲しい。
想うだけの、この苦しい心を。



【Fin.】


後書


短銃(女)片想いシリーズ第4弾(苦笑)
夢小説をの更新が目覚しいのは、
どこかのランキングに登録してみたいからだったりします(笑)


シリーズ名でもつけますかね。。。
【想片の月】とでもしますか
逆から読んだらそのまんま、という(笑)
ものすごーく切ない、片想いの話を書いていこうと思ってますので
どうぞよろしくお願いします!



よろしければ、ご感想などいただけましたら幸いですv


web clap


2007/04/21 Wrote
2009/01/01 UP



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7-mori eyelid (©) Midori Yuki
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